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【医師監修】物忘れや集中力低下の原因は?「脳の栄養剤」クレアチンを徹底解説

最近、運動をしても思うような結果が出ず、頭もスッキリしない――そんな不調を感じていませんか。実は、その背景には「脳のエネルギー不足」が関係している可能性があります。

一般的には筋肉増強のサプリとして知られている「クレアチン」ですが、近年は脳のパフォーマンスを高める栄養素としても注目されています。もしこのクレアチンが、脳機能を劇的に向上させる高速充電器のような存在だとしたら――その理由を知りたくなるのではないでしょうか。

本記事では、クレアチンの最も実感しやすいのが20代の若者ではなく、40~50代である理由を、医師の知見を踏まえて解説します。さらに、初めての方でも安心して始められる安全かつ効果的な取り入れ方もご紹介します。

 

私たちの身体はなぜ20代と違うのか?|科学的な真実

なぜ、私たちの身体は20代の頃と同じようには動かなくなるのでしょうか。

ここでは、その背景にある科学的な理由をわかりやすく解説します。


ホルモンの変化がもたらす影響

一つ目の理由は、私たちの身体で「建設」と「補修」を担ってきた中核的なホルモンが、年齢とともに変化するためです。

まず、筋肉の成長を促す「成長ホルモン」や、男性ホルモンの「テストステロン」は、加齢とともに分泌量が低下します。成長ホルモンは、運動によって疲労・損傷した筋肉細胞を修復する、いわば「24時間体制のメンテナンスチーム長」のような存在です。一方、テストステロンは筋タンパク質の合成を促し、筋肉量や筋力の向上を指揮する「建設現場の総監督」のような役割を担っています。

さらに女性の場合、ここにもう一つ大きな変化が加わります。それが、女性ホルモン「エストロゲン」の急激な減少です。エストロゲンは、運動による筋肉の過度な損傷を防ぎ、微細なダメージの回復を助ける重要なホルモン。いわば、筋肉全体が滞りなく機能するようにサポートする「現場の安全管理監督官」のような存在です。若い頃は、メンテナンス担当の成長ホルモン、建設総監督であるテストステロン、そして安全管理を担うエストロゲンがそろって活発に働き、身体の状態を支えていました。ところが40代を境にこれらの有能な「働き手」は徐々に減少し、特に女性の身体においては、安全管理役のエストロゲンが急激に低下するという大きな変化が訪れます。

その結果、同じ運動量でも回復が遅くなったり、以前に比べて筋肉がつきにくくなったり、反対にお腹まわりに脂肪がつきやすくなったりします。つまり、身体の「筋肉の建設・補修システム」の効率が、年齢とともに低下していくのです。


40代以降に進む筋肉反応の鈍化

二つ目の理由は、「筋肉の反応性の低下」です。

若い頃は、スクワットを100回すれば筋肉細胞がすぐに反応し、「ご主人様が運動している!成長しなきゃ!」と成長スイッチを入れてくれました。ところが40代・50代になると、同じようにスクワットを100回しても、筋肉細胞の反応が鈍くなります。「うーん…この程度の刺激ではスイッチを入れるほどではないかもしれない」と判断してしまうのです。

そのため、若い頃よりもはるかに強い刺激――つまり、より大きな負荷をかけて初めて、成長スイッチが入るかどうかという状態になります。これでは、同じように汗を流しても結果が出にくいのは当然です。「鈍くなった成長スイッチ」をどうすれば効率的にオンにできるのか。まさにこれが、40代以降の人々が向き合うべき課題といえます。


クレアチンの再発見|筋肉より脳にまず注目すべき理由

多くの人は、クレアチンを「筋肉の成長スイッチを入れるもの」として理解しています。もちろん、その働きもとても重要です。しかし今回は、あえて順序を変えて「脳への影響」から話を始めたいと思います。なぜなら、この作用こそがより本質的で重要な可能性を秘めているからです。

私たちの脳は、体重のわずか2%という小さな器官でありながら、全エネルギーの20%を消費する「エネルギーの大食い」です。脳は「ATP」というエネルギーを使って思考し、記憶し、集中力を保っています。クレアチンは、このATPが不足しないように素早く再合成する「脳の高速充電モバイルバッテリー」のような存在です。

では、クレアチンを継続的に摂取すると、具体的にどのような変化が起きるのでしょうか。

第一に、短期記憶力と情報処理速度が向上します。複数の研究を統合したメタアナリシスによれば、クレアチンを摂取したグループは、そうでないグループに比べて、知能テストや推論能力テストで有意に高いスコアを示しました。つまり、複雑な業務をこなしたり、学習したりするときに、脳が疲れにくくなるということです。

第二に、個々の身体特性によってクレアチンの効果がより強く現れる場合があります。たとえば菜食主義者は肉類をほとんど摂らないため、体内のクレアチン量が低くなりがちです。その分、クレアチンを補給すると認知機能の改善効果が大きく現れることがわかっています。

さらに、睡眠不足で脳機能が急激に低下する経験は誰にでもありますが、クレアチンにはこうした「脳のエネルギー低下」を和らげ、機能低下を防ぐ働きも報告されています。

また、女性にとっても大きなメリットがあります。女性は一般的に男性より体内のクレアチン保有量が低く、補給した際により大きな効果が得られやすいとされています。また、うつ病治療中の女性患者がクレアチンを併用したところ、治療反応が向上したという報告もあり、医療分野でも注目が高まっています。


衰えた筋肉の成長を後押しする「ブースター」

脳の話が一段落したところで、次は再び身体に目を向けてみましょう。

先ほど触れた「鈍感になった筋肉の成長スイッチ」のことを覚えていますか? 

クレアチンは、この問題を非常にシンプルかつ確実に解決してくれます。

クレアチンは筋肉の「急速充電エネルギー」のような存在です。摂取することで身体能力がわずかに、しかし確実に、そして意味のある形で向上します。

たとえば、いつも扱っている重量よりも2.5kg、あるいは5kg重い負荷を持ち上げられる力が生まれます。この「少しだけ増えた身体能力」こそが、鈍感になっていた筋肉の成長スイッチを「カチッ」と入れてくれる、最も確実な鍵なのです。

さらに、クレアチンを筋力トレーニングと併用することで、骨粗しょう症予防や骨の健康維持に役立つ可能性があるという研究結果も報告されています。

筋肉減少症(サルコペニア)を抱える高齢者においても、筋トレ効果を最大化し、筋肉と骨を同時にサポートする有力な戦略として認められています。

クレアチンは、運動による汗と努力を無駄にせず、その成果を最大限に筋肉の成長へ結びつける最も確実な「ブースター」です。クレアチンを取り入れることで、止まっていた身体の変化が再び動き出す実感を得られでしょう。


クレアチンに関する3つの誤解と真実

クレアチンのメリットを聞くと、「本当に良いものなんだな」と思う一方で、「でも、身体に取り入れるものだし、安全性は大丈夫?」と不安がよぎる方もいるでしょう。

そこで、ここではよくある誤解や不安点について、科学的根拠に基づきファクトチェックをしていきます。


腎臓に負担をかけるって本当?

病院で腎機能検査を受ける際に確認される「クレアチニン(Creatinine)」。クレアチン(Creatine)と発音が似ているため、両者を混同してしまう方が少なくありません。

簡単に言えば、クレアチンは身体が利用する「有益な燃料(栄養素)」であり、クレアチニンはその燃料を使った結果として生じる「自然な老廃物」です。そのため、クレアチンを多く摂取すれば、老廃物であるクレアチニンの排出量が増えるのは、当然の生理現象といえます。

つまり、クレアチニン値の上昇は腎機能の低下を示しているわけではなく、単に摂取量が増えたことで排出量も増えたという、正常な結果なのです。

さらに、数十年にわたる研究の蓄積により、健康な成人がクレアチンを摂取しても腎機能に悪影響はないという点は、医学界の定説となっています。

 

脱毛するって本当?

この話の発端は、2009年に発表されたある研究にあります。しかし、その後15年以上にわたり、同じ結果を再現できた研究は一つもありません。

むしろ、その後に行われた複数の研究では、脱毛ホルモンとして知られるDHTとクレアチンは関係がないという結果が相次いで報告されています。

つまり、現時点では「クレアチンが脱毛を引き起こす」という科学的根拠は非常に乏しいと言えるでしょう。


身体がむくむって本当?

これは半分は正しく、半分は誤解です。

クレアチンには筋肉の中に水分をため込む働きがあるため、摂り始めの時期には一時的に体重が1~2kg増えたり、筋肉が張って見えることがあります。しかし、これは脂肪がついたり身体がむくんだりするのとはまったく別の現象です。むしろ筋肉がしっかりとエネルギーを蓄え始めた「良いサイン」であり、心配する必要はありません。


クレアチンを賢く摂取するためのステップ

クレアチンの摂取をどう始めればいいのか、迷う方も多いかもしれません。そこでここでは、最適なスタート方法を分かりやすく紹介します。

第一に、選ぶべき製品について。
さまざまな製品がありますが、迷わず「クレアチンモノハイドレート」を選んでください。数百件におよぶ研究で効果と安全性が最も確実に示されており、価格も手頃です。

第二に、摂取量について。
かつては初期に大量に摂取する「ローディング法」が推奨された時期もありましたが、胃腸への負担が懸念されます。最も安全で効果的なのは、毎日1~5gを継続して摂る方法です。

第三に、摂取のタイミングについて。
運動の前後、食事の前後など、基本的にはいつでも構いません。一日の中で「飲み忘れない時間」を決め、水やジュース、または普段飲んでいるプロテインと一緒に摂取するだけで十分です。

そして何より重要なのが、継続すること。毎日の小さな積み重ねが、たしかな身体の変化へとつながっていきます。

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クレアチンがもたらす主な効果

クレアチンを定期的に摂取することで最初に実感しやすいのは、運動能力の向上――いわゆる「ブースター効果」です。クレアチンは、トレーニングの際に「最後の1、2回を頑張れる力」や「もうす少し重い重量を持ち上げる力」を引き出してくれます。この身体能力の上乗せこそが、年齢とともに鈍くなった筋肉の成長スイッチを再び入れる重要な役割を果たします。

また、クレアチンは「脳の高速充電モバイルバッテリー」としても役立ちます。脳のエネルギー源であるATPを素早く補うことで、短期記憶力や情報処理速度の向上が期待できます。安全性についての心配も不要です。摂取する栄養素である「クレアチン」と、身体がそれを使った後に生じる老廃物の「クレアチニン」は別の物質であり、クレアチン摂取によってクレアチニンの数値が上がるのは自然な生理現象です。そして、脱毛を誘発するという噂については科学的根拠が乏しく、摂取初期の体重増加も筋肉内の水分量が増えたことによるポジティブなサインにすぎません。


まとめ

年を重ねるということは、身体の機能の低下をなすすべなく受け入れることではありません。むしろ、自分の身体をより科学的に理解し、賢く管理すべきタイミングが訪れたということです。
クレアチンは、その「賢い管理法」の一つとなり得る栄養素です。身体の変化の停滞に落ち込んだり、集中力や意欲の低下に挫折したりする必要はありません。

科学的にも効果が検証されている、この優れたツールを活用し、活力ある身体と冴えた頭脳を再び取り戻していただければ幸いです。

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