年齢とともに、少しずつ深くなっていくシワ。実は、普段何気なくやっている習慣が、「シワ時計」を10年も早めてしまうことがあるのをご存じでしょうか。おでこ、目元、眉間、ほうれい線、首など、シワは一度深く刻まれてしまうと、元に戻すのは簡単ではありません。
本記事では、シワの原因やおすすめの対策を詳しく解説します。10年後も今の肌を保ち続けたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
シワができる2つの主な原因

シワには、主に2つの原因があります。
1つ目は、顔の筋肉を過剰に使うことでできるシワです。代表的なものとして、おでこ、眉間、口元のシワが挙げられます。
2つ目は、紫外線と加齢によって生じるシワです。紫外線の影響で肌のコラーゲンが破壊・現象し、弾力が失われることで、シワができるとされています。
筋肉の使い過ぎによるシワ
毎日アイスアメリカーノをストローで飲む習慣がある人は注意が必要です。唇をすぼめて吸う動作を繰り返すことで、口元のシワができやすくなるからです。
一度できた口元のシワは消すのが難しく、見た目年齢を老けさせる原因にもなります。できるだけストローの使用を控えることがシワ予防につながります。
一方で、ストローを口にくわえて10秒ほどキープする運動はシワの予防に効果的です。ストローは使い方次第で、シワを「作る」ことも「防ぐ」こともできるアイテムといえるでしょう。また、顔の筋肉を長期間同じように使い続けると、その部分が肥大してシワになってしまいます。しかめっ面をすれば眉間にシワができ、無表情で口元に力を入れているとほうれい線やマリオネットラインが生じやすくなります。
いつも笑顔を心がけ、ライオンが「ガオー」と吠えるように顔の中央部分の筋肉を動かすことが、シワ予防のポイントです。
スマートフォンによるシワ

スマートフォンの使用も、シワの原因のひとつです。多くの人はスマートフォンを見るとき、首を前に傾けた姿勢をとっています。この姿勢を続けると首が前に曲がり、あごのたるみや首のシワが生じやすくなります。
この状態は「テキストネック症候群」と呼ばれ、首のシワだけでなく、頚椎ヘルニアを引き起こす原因にもなります。スマートフォンを使うときは、できるだけ端末を持ち上げて画面を目の高さに合わせることで、あごのたるみや首のシワを予防できます。
睡眠によるシワ

人間は平均して1日6~7時間の睡眠をとります。その間ずっとシワができやすい姿勢を続けていると、当然ながらシワは深くなっていきます。
横向きで寝ると、片側の顔だけが枕に押され続け、縦方向のシワができやすくなります。この状態が10年、20年と続くと、シワが定着してしまい、ボトックスでも改善が難しくなります。シワを予防するには、天井を向いて仰向けで眠る習慣をつけるのが理想的です。また、睡眠ジワ対策用の枕を取り入れたり、クッション性の高い枕を使って圧力を分散させるのも効果的な方法といえます。さらに、枕の高さが高すぎると首のシワができやすくなるため、適切な高さに調整することも大切です。目安としては6~8cmほどのものが推奨されますが、人によって最適な高さは異なるため、自分に合った枕を選ぶようにしましょう。
加齢や活性酸素によるシワ
加齢によるコラーゲンの減少や、活性酸素による肌の損傷も、シワができる要因のひとつです。さらに、重力の影響で肌が下にたるみやすくなります。こうした状態を防ぐためには、コラーゲンの減少をできるだけ抑えることが大切です。コラーゲンペプチドを積極的に摂取し、顔の筋肉トレーニングを継続して行いましょう。
毎日のケアを続けることで、10年後も若々しくハリのある肌を保つことができます。
シワ予防におすすめのスキンケアルーティン

年齢を重ねるとともに気になり始めるシワは、日々のスキンケア次第で進行を抑えることができます。ここでは、バクチオールやビタミンC、AHA・BHAなどの有効成分を取り入れたスキンケアルーティンと、シワを増やさないための紫外線対策について詳しくご紹介します。
バクチオールクリーム・ビタミンCセラム・AHA/BHAダブルセラム
シワを改善する化粧品の代表格が、バクチオールを配合した製品です。すでにできてしまったシワにしっかり働きかけ、肌細胞のターンオーバーを促進しながらコラーゲンの生成をサポートします。そのため、シワの改善だけでなく、美白効果やハリの向上も期待できます。次におすすめなのが、ビタミンCセラムです。強力な抗酸化作用を持つビタミンCセラムは、紫外線によるダメージから肌を守るほか、コラーゲンの生成も助けます。さらに、メラニンの生成を抑える働きがあるため、シミやくすみの予防にも効果的です。特にピュアビタミンC製品は、誘導体タイプよりも効果が高いため、製品を選ぶ際は有効成分の濃度や安定性をチェックしましょう。効果の高いアイテムを選ぶことで、お金や時間を無駄にせず、確実に肌を守ることができます。また、色素沈着をやわらげ、シミやニキビ跡の改善に有効なAHA(グリコール酸)もおすすめの成分です。AHAにはコラーゲン生成を促進して、肌のハリを整える働きもあります。さらに、AHAの一種・マンドゥリック酸は、肌トーンを明るくする作用や、ビタミンCと同様の抗酸化効果がある成分として知られています。
一方、BHA(サリチル酸)は毛穴の洗浄やニキビ菌の抑制に優れ、余分な角質を除去して毛穴を引き締める効果があります。これらの成分は空気中でも安定しており、酸化による効果の低下が少ない点も特徴です。
使用方法としては、朝はビタミンCセラムを使用して紫外線から肌を守り、夜はAHA/BHAダブルセラムとバクチオールを組み合わせることで、肌への刺激を抑えながら、シワ改善と美白の両方を効果的にケアできます。
日焼け止め
肌の老化を引き起こす外的要因の中で、最も大きな原因は紫外線です。紫外線による影響は非常に大きく、外的要因の約80%を占めるともいわれています。
紫外線を浴びると、肌の真皮にあるコラーゲンやエラスチンが破壊され、シワができやすくなります。曇りの日でも紫外線の90%以上は雲を通過して肌に届きます。また、室内でも窓ガラスを通して紫外線は入り込みます。そのため、曇りの日や部屋の中にいるときでも日焼け止めを塗ることが大切です。天気や場所に関係なく、日焼け止めを塗る習慣がシワ予防につながります。日焼け止めを選ぶ際は、容器に表示されている数値と記号をチェックしましょう。おすすめは、SPF50以上・PA++++以上・UV耐水性ツースター以上の製品です。肌への刺激を抑えたい場合は、ミネラル成分(ノンケミカル)配合のものを選ぶと安心です。また、専用クレンザーが必要なウォータープルーフタイプはできるだけ避けましょう。多くの専用クレンザーにはオイル成分が含まれており、肌のバリア機能を担うセラミドを過剰に取り除いてしまう可能性があります。
特に、車の運転をよくする人や、自宅・オフィスに日差しが差し込みやすい環境で過ごす人は、紫外線対策として、日焼け止めを毎日きちんと使うことが大切です。
まとめ
ストローを使って口元の筋肉をストレッチしたり、スマートフォンを目の高さで操作したり、仰向けで眠るようにするだけでも、顔や首のシワを防ぐことができます。朝はビタミンCセラムと日焼け止めを塗って一日をスタートし、帰宅後は弱酸性の洗顔料でやさしく洗顔してから、AHA/BHAダブルセラム、セラミドやナイアシンアミドを含む保湿ローション、そしてバクチオールクリームでしっかりケアしましょう。こうした習慣を続けることで、シワの予防だけでなく、すでにできてしまったシワの軽減も期待できます。シワは30代のうちから予防ケアを始めることが大切です。早い段階でケアを取り入れることで、周囲から羨ましがられるような美肌を維持できます。また、皮膚科でシワを目立たなくする方法として、最も簡単で効果的な方法はボトックス注射です。特に表情を作ったときに出るおでこ・目元・眉間のシワに、ボトックスは高い効果を発揮します。ただし、シワが深く刻まれてからでは十分な効果が得られず、フィラー(ヒアルロン酸注入)など、より高額な施術が必要になることもあります。そのため、シワは早めのケアが何よりも大切です。









