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皮膚科医がすすめる若々しい肌のためのサプリメント4選|10年若返る秘密

世の中には、実年齢より若々しく見える人もいれば、老けて見える人もいます。その差を生むのは、毎日の生活習慣と栄養バランスの違いです。肌の老化は20代から毎年1%ずつ進むといわれており、その主な原因はコラーゲンやヒアルロン酸の減少、活性酸素による酸化ストレスにあります。

本記事では、ハリと透明感のある肌を保つために欠かせない4つのサプリメントと、その効果を最大限に引き出す方法をご紹介します。

ハリと透明感のある美肌へ導くサプリメント

美しい肌を保つためには、スキンケアだけでなく、体の内側から必要な栄養を補うことが欠かせません。年齢とともにコラーゲンやヒアルロン酸の量は減少し、肌の弾力やうるおいが失われていきます。こうした変化に対応するには、サプリメントを上手に取り入れるのが効果的です。

ここでは、肌の再生や美白、保湿に関わる代表的な成分の働きと、上手な取り入れ方を解説します。


コラーゲン

肌の約80%を占める「コラーゲン」は、ハリや弾力を保ち、健やかで美しい状態を支える重要な成分です。一方、コラーゲンは20代を境に毎年約1%ずつ減少していきます。減少が進むとハリや弾力が失われ、シワやたるみを引き起こす原因となります。そのため、若々しい肌を保つためには、十分なコラーゲン補給が欠かせません。

体の外側から行うケアとしては、バクチオールやビタミンCなどを配合した化粧品でコラーゲンの再生を促すことが大切です。しかし、体の内側でコラーゲンの原料となる「コラーゲンペプチド」が不足していると、どんなに丁寧にスキンケアをしても、ハリのある肌を維持することはできません。十分なコラーゲンペプチドを補うことで、肌に届いたペプチドが線維芽細胞を活性化し、コラーゲン合成を促進します。また、紫外線による肌ダメージの回復効果も報告されており、内側から肌をサポートする重要な役割を果たします。「コラーゲンは効果がない」といわれることもありますが、これは半分正解で半分間違いです。コラーゲンは分子量の大きいタンパク質のため、そのままの形では吸収されにくいという性質があります。効果を得るには、ペプチド単位まで分解された加水分解コラーゲンとして摂取することが大切です。

コラーゲンを選ぶ際は、ペプチドサイズに加水分解されていること、そして牧草飼育・放牧の牛由来で新鮮な原料を使用していることを確認しましょう。良質な原料を使った製品ほど、安心して続けられます。

効果を実感するためには、毎日最低10gのコラーゲンペプチドを摂取するのが理想的です。スキンケアと同じように、毎日のコラーゲン補給を習慣にすることで、体の内側からハリと弾力のある美しい肌を保つことができます。

 

ヒアルロン酸

肌の水分を保つために欠かせないのが「ヒアルロン酸」です。ヒアルロン酸には、水分をしっかり抱え込み、みずみずしくなめらかな肌を保つ働きがあります。化粧品の成分としても人気が高く、皮膚科で行われるフィラー治療(ヒアルロン酸注入)の主成分としても活用されています。一方、ヒアルロン酸配合の化粧品は肌表面の保湿には効果的ですが、真皮層で新たにヒアルロン酸を生み出すことはできません。そのため、外側のケアだけでなく、内側から原料を補うことが大切です。ヒアルロン酸はコラーゲンと同様に、20代を境に毎年約1%ずつ減少していきます。食事だけで十分な量を補うのは難しいため、サプリメントで1日100mg以上を目安に摂取するのがおすすめです。また、最近のアメリカの研究によると、定期的に筋トレを行う人はコラーゲンやヒアルロン酸の生成が活発になり、シワの減少やハリの向上が高まると報告されています。忙しい日々の中でも、週に3回程度ジムで体を動かす習慣を持つことで、運動による相乗的な効果が得られ、100歳になっても60代のような肌と活力を保つことができるとされています。

 

ビタミンC

肌のコラーゲン合成において最も重要な原料はコラーゲンペプチドですが、コラーゲンを生成するためには「ビタミンC」の存在も欠かせません。ビタミンCにはコラーゲン合成を助ける役割があり、肌のハリや弾力を保つために必要不可欠な成分といえます。

私たちの体では、代謝の過程で多くの活性酸素が発生します。活性酸素が蓄積すると、体のあらゆる場所で炎症を引き起こし、老化を促進させてしまいます。ビタミンCには活性酸素を除去する働きがあり、紫外線などによって発生した活性酸素を取り除くことで、明るく透明感のある肌を保つ効果が期待できます。さらに、チロシナーゼという酵素の働きを抑制し、メラニン色素の生成を防ぐことによって、シミやくすみを防ぐ美白効果もあります。

一方、ビタミンCは水溶性ビタミンで体内に蓄積されにくいため、こまめな摂取が必要です。なかには1,000mg以上の大量摂取を行う人もいますが、その効果について、現時点で十分な科学的根拠は示されていません。WHO(世界保健機関)では、1日あたり最低100mg以上の摂取が望ましいとされています。ただし、腎臓や尿管に結石ができやすい方は、ビタミンCの過剰摂取によって体調が悪化する可能性があるため、摂取量には注意が必要です。

 

グルタチオン

「グルタチオン」は、グルタミン酸・システイン・グリシンという3種類のアミノ酸から構成されるタンパク質で、強力な抗酸化作用を持つ成分です。体内では、活性酸素の除去や免疫力の維持、解毒作用など、健康を支える重要な役割を果たしています。

肌においても高い高酸化力を発揮し、美白効果が高いことで知られています。特に韓国では、美白目的の「白玉注射(グルタチオン注射)」が人気を集めています。サプリメントとして摂取しても効果が期待でき、1日あたり500mg以上の純粋グルタチオンの摂取が推奨されています。ただし、日本国内で販売されている一般的なサプリメントには、純粋グルタチオンの含有量が明記されていないものが多いため注意が必要です。

日本の法律では、純粋グルタチオンを含むサプリメントの製造・販売が認められていないため、代わりに「グルタチオン酵母抽出物」が使用されています。グルタチオン酵母抽出物は有効成分の量が少ない傾向があるため、購入前にメーカーに純粋グルタチオンの含有量を確認し、必要量をしっかり摂取できる製品を選ぶことが大切です。

まとめ

皮膚科で行われるウルセラ、サーマクール、ジュベルックなどの施術は、いずれもコラーゲンの再生を目的としています。肌の老化そのものを止めることができませんが、生活習慣を整えることで進行を遅らせることは可能です。

同窓会などでは、老け込んでしまったように見える人もいれば、20年前とほとんど変わらない人もいます。若々しい肌を保つためには、コラーゲンペプチド・ヒアルロン酸・ビタミンC・グルタチオンの摂取を日々の生活に取り入れることが大切です。美白ケアには、BHA/AHA(サリチル酸・グリコール酸・マンデル酸)配合のセラムや、ビタミンCセラム、バクチオールクリームが効果的です。また、皮膚科では、グルタチオン点滴やBHA/AHAピーリング、レーザートーニングによって色素沈着を改善することができます。さらに、ハイドロキノン軟膏の併用も有効です。

加えて、ケトジェニック食、Zone 2運動(脂肪燃焼ゾーンの有酸素運動)、定期的な筋トレ、十分な睡眠、そして毎朝の日焼け止めを欠かさないことが、10年後の肌と活力を大きく左右します。日々の小さな積み重ねこそが、年齢を感じさせない美しさを維持する鍵といえるでしょう。

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