薄毛は、男性や女性、そして年齢に関係なく起こりうるものです。一度進行が始まると、元の状態に戻すのは簡単ではありません。だからこそ、早い段階で「原因」と「タイプ」を知ることがとても大切です。
本記事では、薄毛の種類や原因、簡単なチェック方法、効果的な対策などをわかりやすく解説します。薄毛にお悩みの方はぜひチェックしてみてください。
薄毛の種類と原因
薄毛には、いくつかの種類があります。代表的なものとして、男性型・女性型脱毛症、円形脱毛症、牽引性脱毛症、休止期脱毛症、そして老化による脱毛が挙げられます。
最も多いのは男性型脱毛症(AGA)です。生え際がM字型に後退したり、頭頂部が薄くなるのが特徴で、進行するとU字型へと広がっていきます。主な原因は、男性ホルモンの「テストステロン」が「DHT(ジヒドロテストステロン)」という物質に変化し、毛包の細胞を攻撃してしまうからだと考えられています。
一方、女性型脱毛症(FAGA)は、生え際の髪は比較的保たれ、分け目に沿って頭頂部の髪が縦に薄くなるのが特徴です。多くの場合、更年期などホルモンバランスの急激な変化をきっかけに発症します。
円形脱毛症は、突発的なストレスによって引き起こされることが多く、丸い形に髪が抜け落ちるのが特徴です。ストレスにより「ストレスホルモン」が増加し、毛包に悪影響を与えることで発生します。ストレスが軽減されると、再び髪が生え始めるケースが多いとされています。
牽引性脱毛症は、髪を強く結んだり、ピンで長時間固定することで毛根に負担がかかり、毛包が傷ついて起こります。髪をできるだけゆるく結ぶ、または下ろしておくことが予防につながります。
そして、休止期脱毛症は、体調不良や過度なダイエット、出産など、身体に大きな負担がかかったあとに起こる一時的な脱毛です。通常は3~6か月ほど経ってから大量に髪が抜け始めますが、体調が回復すれば自然と再び生えてきます。
自宅でできる簡単な薄毛チェック
シャンプーのあと、いつもより抜け毛が多いと「もしかして薄くなってきたかも」と感じる方は多いでしょう。簡単にチェックする方法として、両手で髪を軽くつかみ、そっと引っ張ってみて6本以上抜ける場合は、薄毛の兆候があると考えられます。
また、分け目を広げて家族などに上から写真を撮ってもらい、毎月記録を残すのもおすすめです。
薄毛シャンプーは効果があるのか?
市販の薄毛用シャンプーにはさまざまな種類があり、どれを選べばよいか迷う方も多いでしょう。しかし、残念ながら「髪を再び生やす」効果は期待できません。
これらの製品は、あくまで頭皮の環境を整え、発毛をサポートするための補助的なアイテムと考えるのがよいでしょう。
薄毛を防ぐ生活習慣
薄毛の予防は、早めの対策が何より重要です。一度進行してしまうと、改善には時間も費用もかかるため、日頃から意識してケアを続けることが大切といえます。
シャンプーの方法
シャンプーは1日1回、朝よりも夜に行うのが理想的です。日中にたまった汚れや皮脂をしっかり落としてから眠ることで、頭皮や髪への負担を軽減できます。特にワックスやスプレーを使った日は、必ず洗い流しましょう。洗う際は、ぬるま湯を使うのがポイントです。お湯が熱すぎると頭皮を刺激し、冷たすぎると汚れが落ちにくくなります。
顔を洗うときと同じように、まずは髪全体をしっかり濡らし、シャンプーを手のひらでよく泡立ててから髪になじませてください。濡れた髪は傷みやすいため、頭の上で直接こすって泡立てるのは避けましょう。
指の腹でやさしく洗い、泡や汚れを十分にすすぐことも大切です。爪を立てて強くこすると頭皮を傷つけ、かえって薄毛を悪化させる恐れがあります。
髪の乾かし方
ドライヤーを使うときは、熱風ではなく、ぬるめ~冷風に調整し、髪の表面だけでなく頭皮までしっかり乾かすようにしましょう。髪が濡れたまま寝ると細菌やカビが繁殖しやすくなるため、夏でも自然乾燥は避けてください。
また、タオルで水気を取るときは、強くこすらず、押さえるように優しく拭くことが大切です。摩擦を減らすことで、髪や頭皮へのダメージを防げます。
紫外線対策
頭皮も皮膚の一部なので、紫外線から守ることが大切です。外出時は、帽子や日傘で保護しましょう。強い紫外線を浴びると、頭皮が日焼けや炎症を起こし、毛包が傷ついて薄毛が進行する原因になります。特に髪の量が少ない方は紫外線の影響を受けやすいため、より注意が必要です。
まとめ
薄毛は進行してしまうと元の状態に戻すのが難しいため、何よりも予防が大切です。シャンプーのあとはぬるめ~冷風でしっかり乾かし、帽子などで紫外線から頭皮を守るようにしましょう。予防をしても進行してしまう男性型脱毛症(AGA)は、DHTというホルモンの影響が主な原因です。医師に相談し、フィナステリドを処方してもらうことで抜け毛の進行を抑えやすくなります。この薬は前立腺肥大の予防にも効果があるとされています。女性型脱毛症(FAGA)には、毛包への血流を促すミノキシジルが有効です。内服薬だけでなく外用薬もあり、飲み薬が苦手な方でも使用できます。なお、薄毛サプリメントやシャンプーには発毛効果がないため、おすすめできません。薬でも改善が難しい場合は、自毛植毛が最も確実な治療法といえます。
最後に、老化による脱毛についてです。体内の老化時計をうまくコントロールできないと、30~40代頃から毛包の働きが弱まり、髪が細くなったりパサついたりしやすくなります。食事・運動・睡眠など、心身の健康を保つ習慣を日常に取り入れる「スローエイジング戦略」を心がけることで、年齢を重ねても20代のように豊かな髪を維持することができます。ぜひこちらも実践してみてください。