小鼻の横の開いた毛穴や、頬のテカリ、古い角質の詰まりは、メイクの崩れや肌の印象を老けさせる原因となります。しかし、「皮膚科で施術を受けた方がよいのでは」と考えても、費用面で負担を感じる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、毛穴が広がる主な3つの原因に注目し、それらを解消するためのホームケア方法を解説します。皮膚科医も推奨する方法のため、施術に頼らなくても「赤ちゃんのようにつるんとした肌」を目指すことができます。
毛穴とは?
毛穴とは、皮膚に存在するごく小さな穴のことです。皮脂や汗を排出する通路の役割を担っており、体温の調節や肌の保護において欠かせない存在とされています。
一方、毛穴が広がってしまうと肌の質感が乱れ、顔全体の印象に大きな影響を与えてしまいます。
毛穴が目立つようになる主な3つの理由とは?
毛穴が目立つようになる原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なって起こります。
ここでは、毛穴が大きく見えてしまう主な3つの理由について解説します。
・皮脂の増加
・皮脂分泌の乱れ
・加齢による変化
皮脂分泌の増加
オイリー肌の方や暑い季節は皮脂の分泌が増え、排出量が多くなることで毛穴が広がりやすくなります。特に、毛穴に溜まった皮脂が酸化する「黒ずみ毛穴」は、肌がざらついて見える原因にもつながります。
皮脂分泌の乱れ
皮脂の分泌バランスが崩れると必要以上に皮脂が出てしまい、肌トラブルを引き起こすことがあります。主な原因として、睡眠不足・ストレス・食習慣の乱れなどが挙げられます。
対策としては、1日7時間以上の十分な睡眠をとること、瞑想などで心身をリラックスさせること、そして皮脂分泌を促しやすい精製穀物(白米・小麦粉など)や乳製品の摂取を控えることが効果的です。
加齢による変化
年齢を重ねるとコラーゲンやエラスチンが減少し、肌は重力によってたるみやすくなります。その結果、毛穴は丸く開くのではなく、縦に涙型のように広がってしまいます。これも、毛穴が目立つようになる理由のひとつといえます。
施術なしで毛穴を整える5つのホームケアルーティン
皮膚科の施術を受けなくても、日々のスキンケアを工夫することで、毛穴のひらきやたるみをケアすることは可能です。
ここでは、自宅で取り入れやすい5つのホームケアルーティンをご紹介します。
・皮脂分泌が多い方におすすめのオイルフォームクレンジング
・毛が多い方は要注意!ワックス脱毛・毛穴パックのリスク
・毛穴のたるみを防ぐ紫外線ケア
・ダブル洗顔は肌トラブルの原因に
・集中リペア「リードルショット」の活用
皮脂分泌が多い方におすすめのオイルフォームクレンジング
皮脂腺から分泌される皮脂が多いと、毛穴の中に皮脂が溜まりやすく、毛穴の広がりにつながります。こうしたタイプの方には、クレンジングオイルで皮脂を溶かす洗顔がおすすめです。
ただし、通常、オイルでクレンジングしたあとに洗顔料で再度洗顔する「ダブル洗顔」は避けた方がよいでしょう。肌のバリア機能がダメージを受け、乾燥が進むことで、かえって皮脂分泌が増えてしまう悪循環に陥る可能性があります。
そこでおすすめしたいのが、「オイルフォームタイプ」のクレンジングです。水に触れるとオイルが泡に変わるため、クレンジングと洗顔を一度に行うことができます。
使い方
1.乾いた顔にオイルフォームを塗る
2.5~10秒ほどそのままにして皮脂を浮かせる
3.肌をやさしくマッサージし、ぬるま湯で洗い流す
オイルフォームの使用は週1回を目安としましょう。過度に行うと肌が乾燥し、敏感になる恐れがあります。
化粧品を選ぶ際には、レチノールやバクチノールが配合されたものがおすすめです。古い角質を除去しつつ過剰な皮脂分泌を抑え、コラーゲンの生成を促すことで、肌の弾力を高める効果が期待できます。ただし、レチノールは肌に刺激を与えて炎症を引き起こす場合があるため、刺激の少ないバクチノール配合の製品を選ぶとより安心です。
毛が多い方は要注意!ワックス脱毛・毛穴パックのリスク
顔の産毛が気になってワックス脱毛をしている方や、毛穴パックを頻繁に使っている方は注意が必要です。
ワックス脱毛は毛だけでなく毛根まで丸ごと引き抜いてしまうため、その部分の毛穴が大きく開く原因になります。毛穴パックも同様で、黒ずみを取り除くためにシートを剥がすと毛の根元まで抜けてしまい、鼻の毛穴がさらに広がるリスクがあります。
こうした理由から、ワックス脱毛や毛穴パックはおすすめできません。代わりに、ぬるま湯やホットタオルで顔を温めたあと、肌にやさしい角質ケア製品や酵素クレンザーを使うことで、毛穴に負担をかけずにケアすることができます。
毛穴のたるみを防ぐ紫外線ケア
肌の老化を防ぐ紫外線対策も、毛穴のたるみを抑える大切なケアのひとつです。
年齢を重ねるとコラーゲンやエラスチンが減少し、肌は重力に引っ張られて下がっていきます。その結果、毛穴は単に広がるのではなく、縦に長く涙型のような形になってしまいます。
この状態を防ぐために有効なのが、日焼け止めの使用です。ただし、選ぶ製品には注意が必要。おすすめはミネラルベースの製品です。刺激が少なく肌のバリア機能を守ってくれるため、敏感肌の方でも安心して使うことができます。
外出前には必ず塗り、さらに1日に2~3回塗り直す習慣を身につけましょう。
ダブル洗顔は肌トラブルの原因に
最近のフォームクレンザーやクレンジング製品は強アルカリ性のものが多く、洗浄力が非常に高い反面、肌に必要な保護膜まで取り除いてしまいます。「日焼け止めを塗ったから2回洗わなければ」と考えるのは、かえって肌を傷める原因となります。
私たちの肌は本来弱酸性です。そのため、洗顔料も弱酸性のものを選ぶことが大切です。そうすることで、肌に余計な刺激を与えずに、本来のバリア機能を守ることができます。
弱酸性洗顔料は泡立ちが少ない傾向がありますが、洗浄力は十分に備わっています。ゴシゴシこすらず、泡を肌に乗せてなでるように洗うのが理想的です。
もし泡立ちが物足りないと感じる場合は、中性タイプを選んでもよいでしょう。
集中リペア「リードルショット」の活用
最後に、肌の回復力を高める集中ケアとしておすすめしたいのがリードルショットです。
リードルショットにはマイクロスピキュール(美容針)が配合されており、肌にごく微細な刺激を与えることで再生力をサポートします。また、肌内部に小さな通り道を作り、有効成分を奥までしっかり届ける効果も期待できます。
なお、使用中に肌トラブルが起きた場合は、肌のバリア機能が弱っているサインのため、まずはバリア機能を立て直すケアから始めることをおすすめします。
おすすめの使い方は、リードルショットを使用した後に、シカ(CICA)・セラミド・ナイアシンアミド配合のローションやクリームを重ねて塗る方法です。これにより、鎮静・保湿・バリアサポートを同時に行うことができ、より高い効果が得られます。
まとめ
毛穴が広がる主な原因には、皮脂の詰まりや毛の太さの変化、さらに加齢による肌のたるみで毛穴が縦に広がってしまうことなどが挙げられます。
こうしたトラブルを防ぐには、皮脂が多い方は週1回、オイルフォームを使った洗顔を取り入れると効果的です。また、ワックス脱毛や毛穴パックは毛を太くする恐れがあり、かえって毛穴を目立たせてしまうため避けたほうがよいでしょう。さらに、老化対策として日焼け止めによる紫外線対策は欠かせません。
より集中的なケアを行いたい場合は、リードルショットとCICA・セラミド・ナイアシンアミド配合ローションを併用する方法がおすすめです。これらを組み合わせることで、毛穴ケアを総合的にサポートすることができます。